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 『週刊文春』編集長インタビュー「紙の時代は終わった」は、売れないことの言い訳 | AdverTimes(アドタイ) 

記事より
・3月16日に発売された『編集会議』では「コンテンツ・ビジネス」を総力特集。巻頭では、『週刊文春』編集長 新谷学氏への<1万字インタビュー記事>を掲載している

・——2016年になって以降、多くの話題が『週刊文春』のスクープによってもたらされました。世の中に与えたインパクトも大きかったですね。

(ゲスの極み乙女。の川谷絵音さんとの不倫を報じた)ベッキーさんのことは、正直あそこまで激しいバッシングになるとは思わなかったです。とくに第3弾、「ありがとう文春!」「センテンス スプリング」といったLINEでのやり取りは、ちょっと面白いかなと思って出したら、想像以上に大騒ぎになってしまった。

ただ我々は、あのような騒動になることを求めて記事を書いているわけではありません。

だから、ベッキーさんにはすごく同情しているんです。でも「ベッキー頑張れ!」というのをうちでやっても、「お前が言うな!」と言われてしまうだけなので、なかなかできないのですが。

一方で、一つの記事によって、あのような事態になってしまう世の中であるということは、我々もきちんと自覚しなければならないと肝に銘じました。やはりネットの力は大きくて、一報を出した後の広がり方もそうですし、いわば水に落ちた犬に対する叩き方が苛烈を極めてしまう。

私はそういった弱い者いじめのようなことは本当に嫌い。安全地帯から正論を吐くほど嫌なことはない。そうではなくて、金ピカに輝きながら偉そうにしている人に対して、「王様は裸だ!」と最初の一太刀を浴びせることこそが、私たちの仕事だと考えています。


——スクープを取ってくるのは、どのような記者なのですか。
共通しているのは、野心を持っていることです。「スクープを取ってやる」という気概があるかどうかは大きい。私はよく言うのですが、スクープというのは、狙ってもなかなか取れないけど、狙わないと取れないものです。

記者の意識によって左右される分、そうした記者の集合体である『週刊文春』の編集部は強いと思います。


——-ここ数年は出版不況と言われ続け、その元凶は雑誌だと、あらゆるデータで裏付けられています。雑誌は「冬の時代」とも言われているなかで、『週刊文春』では完売する号も出ているというのは驚きです。

ポジティブが取り柄の私でも、もう完売は難しいのかなと、弱気にもなりかけました。ただ「紙の時代は終わった」と言われると「本当かよ」と思いたくなるのです。そうした悲観論を、売れないことの言い訳にしている面もある。出版不況とか紙の時代は終わったというのは、だから売れなくても仕方ないと言っているようにも聞こえるじゃないですか。少なくとも私はそういうことは言いたくないし、言ったこともありません。


この記事の反響
・おもしろい。冒頭は「出産前の報道は控えた」エピソードが先のほうが方針と人柄がわかっていいかも。

・「親しき仲にもスキャンダル」って名言すぎるでしょ

・>本当に面白いコンテンツであれば、紙であろうがデジタルであろうが売れる 
そうだと思う。

・刺さる...。 仕事のスタンスも考え方も。 思わず熟読。 そうだよなー、 面白ければ買うもんなぁ。



やっぱりコンテンツだよね